「日本のローカルな魅力について考える」をテーマに俳優・高橋健介さんがまだ知らない日本各地の名産や隠れスポット、文化などを知り、高橋的NO.1〇〇を決定していく本連載。
毎回、編集部がテーマに沿って厳選した日本のいいモノ・コト・場所を二つずつ高橋さんに紹介し、高橋さんにはどちらがより好きだったか本音で答えていただく。
第5回は「日本の伝統工芸・焼き物を体験するなら?」というテーマで話を聞いた。
(撮影:藤井洋平/ヘアメイク:佐藤由佳/取材協力:和食 板垣 東京都足立区千住5丁目6-7)
体験しに行くなら、有田焼?丹波焼?
G 高橋さん、5カ月前連載が始まるときに「日本の伝統的な工芸品にも触れたい」という話をされたの、覚えてますか?
高橋 はい、そんな話していましたね。
G 実際、何か伝統工芸とかってやったことありますか?
高橋 昔、ファンクラブのバスツアーで千葉県に行って、みんなでうちわを作ったことがあります。
G バスツアー楽しそうですね、修学旅行みたいで!
今回は日本の伝統工芸の中から、焼き物にスポットを当てたいと思います。
高橋 焼き物は本当に有名な産地しか知らないです。
G そうですよね。私も家で使う食器は使い勝手重視で、どんなものか考えたことはありません。
高橋 僕の家でも母親がそういういい食器を使っているかもしれないけど、全然気にしたことないです。
G 焼き物って身近なようで、実は知らないですよね。なので、楽しみながら焼き物の世界を知るために、焼き物のテーマパーク的な場所を見つけてきました。
高橋 焼き物のテーマパークってなんですか?
G 焼き物の歴史を学べて、製作工程を体験できて、自然やその場所自体を満喫できるような場所という意味で、テーマパークと。
高橋 焼き物を軸にその周りを楽しもうというわけですね。楽しみながら学ぶほうが学習効率はいいですからね。
G そうですよね。今回は佐賀県にある有田焼の「有田ポーセリンパーク」と兵庫県にある丹波焼の「丹波伝統工芸公園 陶の郷(すえのさと)」を取り上げます。
高橋 有田焼はもちろん、丹波焼も聞いたことはありますけど、それぞれどんなものかまでは知らないです。
G ですよね。じゃあ早速それぞれお話していきたいと思います。
有田焼について
G 有田焼は、佐賀県有田町周辺で作られている磁器で、日本三大陶磁器の一つです。
初めて焼かれたのは江戸時代初期だそうで、通説では1616年に李参平という中国から渡来した陶工が有田泉山で陶石を発見したのが始まりと言われています。
『イロイロあった徳川家康死去』と覚えたのが懐かしいですが、その年ということです。

高橋 へー。江戸時代のこの頃から作られ始めたって話ですけど、平安時代とか鎌倉時代から焼き物はありましたよね?
G そうですね。ただ、磁器としては日本最初ということになります。
高橋 そっか。陶器とか磁器とかの違いがあるんですね。
G はい。陶器と磁器は材料とか焼成の温度とかの違いがあって、質感も全く違います。磁器にはガラスと同じ成分が多く含まれていて、高温で焼くそうで、陶器よりも薄く軽く、硬く丈夫なんだそうです。

高橋 へー。日常使いとしては扱いやすそうですね。
G 吸水性がなく汚れが付きにくいという特徴があるので、使いやすいというのはその通りだと思います。
有田ポーセリンパークについて

G 有田焼についてざっくり調べましたが、次はその有田焼のテーマパーク「有田ポーセリンパーク」についてお話します。
高橋 有田焼のイメージとは全く違うというか、お城?
G これは有田町の姉妹都市、ドイツ・ドレスデンにあるツヴィンガー宮殿を模したそうです。
高橋 だから宮殿なんですね。きれいですね。ここでどんな楽しみ方ができるんですか?
G この宮殿を中心に、バロック庭園・有田焼工房・登り窯などの施設があります。まずはこの庭園を歩くだけでも心地よさそうですよね。
宮殿の中には、江戸時代のものから明治時代の最盛期までの作品が展示されているので、歴史を知ることもできます。

高橋 有田焼を知らない人はまずこの中から行くとわかりやすいでしょうね。
G そうですね。そして敷地内にある有田焼工房では実際に陶芸を体験できます。工房の近くには実際に焼成を行っている登り窯があり、そこも見学できます。
絵付けは30分くらいで、ろくろや手びねりは1時間くらいで体験できるので手軽ですね。自分で作った器は1カ月から2カ月くらいで完成します。

高橋 焼成して家に届けてくれる感じですね。忘れた頃にもう一度楽しみがあるのはいいですよね。
G もちろんパークの中で本格的な有田焼も買うことができて、アウトレット品や掘り出し物を見つけるのも楽しそうです。
G そして、個人的に有田のグルメといえば、駅弁ランキングやグルメランキングで第1位になったこともある「有田焼カレー」。 器が有田焼になっていて食べた後も使えるので、お土産にはもってこいです。

高橋 美味しそうですね。駅弁に焼き物の器を使うって発想ないけど、有田焼は軽くて強度があるから大丈夫なんでしょうね。
丹波焼について
G 続いて丹波焼。
丹波焼は兵庫県丹波篠山市で焼かれる陶器です。発祥は、平安時代末期から鎌倉時代初期だそうです。中世から現在まで生産が続く代表的な6つの産地を「六古窯(ろっこよう)」というのですが、その一つで日本遺産に認定されています。

高橋 一気に逆のぼりましたね。有田焼の歴史の倍くらいは古いんじゃないですか?
G 仮に頼朝が鎌倉幕府を開いた年で考えたとしても、830年ほど前。
高橋 ですよね。こちらは陶器。
G はい。陶器は磁器に比べて含まれるガラス成分が少ないので吸水性があって、よごれも吸い込みやすいんです。強度も磁器に比べると弱めなので、ぶつけたり落としたりすると割れてしまいます。
高橋 断然磁器のほうがいいじゃないですか。
G ただ陶器は強度が弱い分、分厚く作るので熱が伝わりにくく、熱いお茶を入れても持ちやすいという特徴があります。熱が逃げにくくもあるので、土鍋とかにも向いているんです。
高橋 なるほど、陶器と磁器それぞれ使い方があるんですね。
G 見た目も丹波焼は素朴な感じがとても魅力的です。
高橋 確かに全然違いますね。有田焼は華やかな感じ。
丹波伝統工芸公園 立杭陶の郷について

G 陶器と磁器の違いが分かったところで「丹波伝統工芸公園 立杭陶の郷」のお話を。「陶の郷」は丹波焼の産地・立杭の中心にあります。
現存する最古の窯で兵庫県の重要民俗資料に指定されている上立杭の登り窯や、鎌倉時代の名品を展示した施設があって、歴史を感じることができるんです。

G そして自然が豊かなので、ここを拠点に森をハイキングする人もたくさんいるんですって。自転車の貸し出しもしているので、サイクリングしながら丹波焼の郷にある窯元を巡ることができるんです。
高橋 自然を満喫できるんですね、自転車で移動できるのは楽でよさそう。
G はい。窯元路地を歩きながら、好きな窯元に立ち寄って作家さんが作っている様子を間近で見られたり、陶芸体験もできます。
G そしてこの「陶の郷」がある丹波篠山市は城下町としても有名で、古い建築物が残っています。武家屋敷や蔵などが今も利用されているので、街並みを楽しむことができるのもポイントです。

高橋健介が触れてみたい焼き物は?
高橋 ありがとうございます。もう決まりました。
G 早かったですね。
高橋 僕の場合は有田焼でしょうね。
G そうでしたか。
高橋 今回の場合は、できることとしては両方とも陶芸体験とか焼き物の歴史を知るっていうことだと思うんです。だったら、まずは有名だし、日本三大陶磁器の有田焼がいいです。
G 確かに有田焼はみんな知ってるから、お土産話にもしやすいですしね。
高橋 そう。有田焼で陶芸を体験してみて、興味持ちそうだなってなったら次、丹波焼でいいんじゃないですかね。
でも歩いたり自然を満喫するのが好きな人とか、素朴なものが好きな人は陶の郷の方が楽しめますよね。
G でも高橋さんは虫とか嫌いですもんね。
高橋 (笑)。それに兵庫県は仕事でも行ったことあるし、今後も行く可能性はあるので、どうせならあまり行かない佐賀県のほうがいいっていうのもあります。
G なるほど。じゃあ、次のバスツアーは佐賀県で陶芸体験っていうのもいいんじゃないですか?
高橋 佐賀県までバスはちょっと遠すぎですね……みんな疲れちゃうから(笑)。
<つづく>
1994年12月24日生まれ。東京都出身。2014年に舞台『ハマトラ』で初主演、2015年には『ウルトラマンX』で主演として大空大地役を務める。『テレビ演劇 サクセス荘』、ミュージカル『刀剣乱舞』など数々の人気作品に出演している。
現在、東映特撮ファンクラブオリジナル作品『リバイスレガシー 仮面ライダーベイル』、ドラマ「不幸くんはキスするしかない!」に出演中。【放送局:MBS毎週木曜深夜1:29~、テレビ神奈川毎週木曜深夜1:00~、群馬テレビ毎週火曜深夜0:30~、とちてテレ毎週水曜深夜1:00~、テレ玉毎週木曜日11:00~、千葉テレビ毎週木曜日11:00~】
2022年5月8日(日)から6月26日(日)にかけて全国8都市で開催される、ミュージカル『刀剣乱舞』~真剣乱舞祭2022~に出演。
Twitter:https://twitter.com/kensuke_mr6
Instagram:https://www.instagram.com/kensukeaogaku/
オフィシャルサイト:https://takahashi-kensuke.com
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