「日本のローカルな魅力について考える」をテーマに俳優・高橋健介さんがまだ知らない日本各地の名産や隠れスポット、文化などを知り、高橋的NO.1〇〇を決定していく本連載。
毎回、編集部がテーマに沿って厳選した日本のいいモノ・コト・場所を二つずつ高橋さんに紹介し、高橋さんにはどちらがより好きだったか本音で答えていただく。
第2回は歴史ある日本の【名画座】をテーマに話を聞いた。
(撮影:遥南碧/ヘアメイク:佐藤由佳)
歴史のある名画座、行くならどっち?
G 今日もよろしくお願いします。
第1回「ご当地グルメ編」を公開した日、また高橋さんがトレンド入りしてくれていて。今回は高橋さんが、昔、くず男役で出演したミニドラマの再放送があったみたいですね。
おかげでサインチェキの応募もたくさんいただきまして。今後も継続してチェキのプレゼントをさせてもらっていいですか?
高橋 今回も偶然ですが、良かったです。僕で協力できることがあれば全然。
G ありがとうございます!それでは早速本題に。
今回は名画座についてお話を聞いていこうと思っています。高橋さん、映画は好きですか?
高橋 人並みには観ると思います。上映中の気になる作品があればシネコンに行くし、ちょっと前のものをおすすめされたときは、VODで観ることもあります。
G なるほど。ミニシアターのような場所で観たことありますか?
高橋 それはないです。インディーズ系の厳選された作品が上映されているイメージですよね。
G そうですね。都内だと中野や神保町、下北沢、新宿の周辺とか、身近なところに結構あるんです。
高橋 でも作品がアートよりというか、ちょっと敷居が高いというか……
G 確かに。でもシアターごとにカラーがあって、興味のあるジャンルを見付けられたら面白いかもしれませんよ。
シネコンで上映が終わったばかりの新作をやっていることもあったり、小学生時代に観たことがある懐かしい映画がやっていることもあったり。オールナイト上映をやっていることもあるし、空間だけでも楽しめると思います。
高橋 へー。ほとんど通ってこなかったので、思い入れがあまりなくて。
G そういう方多いと思います。最近はほかのエンタメやVODに押されてなのか、減っていってるみたいですし。
浅草に並んでいた古い映画館は、老朽化で取り壊されて、今ホテルか何かになってますもんね。好きだったんですけど。
高橋 そういうのは、なくなってからじゃなくて、日頃から足しげく通っておくべきですよね。
G その通りですね。
ということで、今回は歴史のある全国のミニシアターの中から、「一度は行きたい名画座」を選んでもらおうと、企画しました。
高橋 なるほど、わかりました。
高知県の大心劇場と新潟県の高田世界館ですね。2つともすごく雰囲気ありますね。
G そうなんです。両方とも相当長い歴史がある映画館なんです。
高橋 へー。古い劇場って温度調節が難しいし、寒い中で映画を観るのはイヤなので、あったかい高知県がいいですね。
G 今回も早いですね……。
高橋 (笑)。でも、もう少し詳しく聞いたら劇場の印象も変わるかもしれないので。
G ですよね。ではまず、高知県の大心劇場についてお話していきます。
高知県の大心劇場について

高橋 大心劇場は、これ、劇場の壁一面にポスターが貼ってあるんですか?
G 正解です。これまでに上映した作品のポスターだそうです。
高橋 へー。レトロ風とかじゃなくて、本当に昭和がそのまま現代にある感じですね。
G 60年以上の歴史があるらしいです。今の館長のお父さんが昭和29年から初めたそうで、映写機も閉館したほかの劇場から譲り受けたものが現役で活躍しているそうです。1本の映画でもフィルムは何巻かに分かれていて、それを1台の映写機で流し込みという技術を使って上映しているそうです。
高橋 いくらで観られるんですか?
G 大人は1500円です。

高橋 じゃあ、シネコンとかに比べるとちょっと安いですね。ずいぶん山奥にありそうですけど。
G はい。高知市の主要部から車で1時間半くらいで、高知龍馬空港からだと電車で2時間半です。空調がなくて夏は暑いため営業していないという話もあるので、注意が必要ですね。
高橋 逆にこちらは暑いんですね。なるほど。
G 大心劇場がある高知県の安芸市・安芸郡周辺についてお話します。「安芸」と聞いて何か思い浮かびますか?
高橋 岩崎彌太郎の故郷ですね、三菱財閥を作った。
G さすがです。岩崎彌太郎は安芸で一番有名な人みたいで、生家は観光地になっているみたいです。

高橋 そうなんですね。
G 近くには安芸城跡があって、そこを取り巻くように武家屋敷が残っていて、一帯が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているんです。
高橋 へー。写真で観ると本当に当時のままっていう感じがしますね。

G 古民家を利用したゲストハウスがあったりするので、そういうところに泊まるのも楽しそうですね。
車でちょっと海側に行くと、伊尾木洞というシダが生い茂っている洞窟一体帯があって、国の天然記念物に指定されているんだそうです。さらに行くと、恋人の聖地と言われる大山岬があって、晴れたらサンゴ礁が見ることもできます。
ちなみに、山奥で育てられている「土佐ジロー」というブランド地鶏は美味しいらしくて、一度食べてみたいですよね。
高橋 自然を満喫できる場所なんですね。なるほど。

新潟県の高田世界館について

G では続いて、新潟の高田世界館の方もご紹介します。
高橋 はい、お願いします。
G 高田世界館は新潟県の上越市というところにあります。1911年(明治44年)に芝居小屋「高田座」として開業して、1916年(大正5年)に常設映画館になったそうです。老朽化で廃業の危機もあったそうなんですが、今はNPO法人によって運営されています。
国の登録有形文化財や近代化産業遺産になっているので、建物だけ見学に来る観光客もいるみたいです。

高橋 なるほど、しっかり運営されているんですね。距離感的にはどんな感じなんですか?
G JR高田駅の目の前にあります。高田という町は高田城があった場所で駅前は城下町になっていて、その中にあるんです。

高橋 へー。それじゃ観光がてら行けるっていうことですね。
G そうなんですよ。しかも火曜日以外は毎日上映していて、上映作品も邦画、洋画、ドキュメンタリー作品などいろいろな作品を週替わりで楽しめます。
高橋 なるほど。時間帯や見る作品を選べるのはいいですね。
G 城下町だから寺社もたくさんあるので、ついでにそういったところを巡るのもおすすめです。
もちろん地酒は美味しいですし、直江津港もごく近くなので、朝市で日本海の海産物も楽しめると思います。

高橋健介が行ってみたい名画座は?
高橋 ありがとうございました。はい、決まりました。
G いかがでしたか?
高橋 実は僕、先日出したファースト写真集の撮影で、佐渡島に行ったんです。
G 「モライモノ」ですね、佐渡島だったんですね!

高橋 はい。だからまさに上越のあたりは通っているはずなんです。でも本当に通り過ぎただけで、こんないい町があるなんて知らなった。知っていたら行ってみたかったです。
G ニアミスでしたね……じゃあ、今回は高田世界館ですかね。
高橋 ……と思ったんですけど、名画座で映画を観るっていうのを一番の目的にするなら、やっぱり大心劇場かなって。
G へー。なんでですか?
高橋 高田世界館は城下町にあって、交通の便もいいし、観光のついでに楽しめるのがすごく魅力的ですよね。一方、大心劇場は、山奥にあってたどり着くだけで時間もかかるじゃないですか。逆にそこがいいというか、高知まで行って、そこからさらに劇場を見付けるまでの道のりすらもイベントになりそうだなって。
それに同じ映画を観るにしても、駅徒歩3分の場所で観るのと、大自然を通って、空調も効いているかわからないような小屋で観るのとでは、感じ方が全然違うと思うんです。

高橋 そもそも僕、わざわざどこかまで映画を観に行くっていう感覚がなくて、大体家の近所か仕事場の近くでしか観たことがないんですよ。だから行くなら、とことんわざわざ映画を観るためだけに行ってみたいです。
それに、名画座がどんどんなくなっている中で、大心劇場はこんな山奥でも続いているっていうのがすごいと思います。その魅力がどういうものなのかはやっぱり気になりますよね。
G なるほど……高橋さんの意見を聞いたらますます大心劇場に行きたくなりました。
高橋さん、山とかそんなに好きじゃないって言っていたので、高田世界館を選ぶかと思いきや、意外と大心劇場に興味を持ってくれてうれしかったです!
今回もありがとうございました。
高橋 はい。じゃあ、また次回! 楽しみにしていますね。
<つづく>
1994年12月24日生まれ。東京都出身。2014年に舞台『ハマトラ』で初主演、2015年には『ウルトラマンX』で主演として大空大地役を務める。『テレビ演劇 サクセス荘』、ミュージカル『刀剣乱舞』など数々の人気作品に出演。
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オフィシャルサイト:https://takahashi-kensuke.com
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